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【廃棄物・土壌】調布の化学薬品不法投棄:住民らの不安続く 土壌調査見通せず-勉強会(東京)

 調布市入間町の民間研究所跡地で昨年5月、トルエンなど大量の化学薬品が不法投棄され、付近住民2人が頭痛やめまいなどを訴えた廃棄物処理法違反事件をめぐり、住民らが3日、同市内で勉強会を開いた。「問題の土地にはまだ薬品が残っているのではないか」という不安がぬぐいきれず、住民らは「危険があるのかないのか、行政が一体となって判断してほしい」と改めて訴えた。

 住民らはこれまでも市主導の土壌調査を要望しており、この日の勉強会には約40人が参加した。出席した初宿(しやけ)和夫副市長は「土壌調査が必要と判断して、土地の所有者に同意を求めたが、得られなかった」と説明。私有地のため、所有者の同意を得ずに詳細な調査を実施するのは難しく、現時点で調査できる見込みは立っていないが、住民との話し合いを今後も続ける考えを示した。

 また、ゲスト参加した都公害局(現環境局)の元職員で、公害の被害者支援などに取り組んでいる藤原寿和さん(68)は「有毒物質が粉じんとなって大気中に飛散した可能性もある。私有地でも境界地点の大気や、周辺の井戸を調べることはできる。できるところから調査をすべきだ」と指摘した。
 勉強会に参加した住民は「どれほどの劇薬物があるのか。市、保健所、環境事務所、警察にも行ったが、情報はどこにも集約されていない」と不安を口にした。

 ◇トルエンなど400種類 100リットルを土中に
 昨年5月27~28日、調布市入間町の民間研究所跡地で、土地所有者の不動産会社がトルエンや亜ヒ酸など約400種類の薬品薬100リットルを土中に流すなどして廃棄。周辺の住民2人がのどの痛みや吐き気、頭痛などを訴えて発覚した。
 廃棄物処理法違反容疑で4人が逮捕され、不動産会社の実質的経営者は懲役1年6月、執行猶予3年の有罪判決が確定した。
〔多摩版〕

出典:2014/04/05 毎日新聞 地方版
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