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【廃棄物】家庭ごみ不法投棄防げ/県警摘発最多ペース/コンビニは自衛策(宮崎)

 県警による廃棄物処理法違反の摘発が今年7月末現在で21件25人に上り、過去10年間で最多となるペースで増加している。これまで注意や指導にとどめていた家庭ごみの不法投棄が後を絶たず、県警が今年から摘発に積極的に乗り出したことが要因。マナー違反に対する一定の抑止効果が期待できるが、不法投棄先の一つとして対応に苦慮しているコンビニエンスストアなどの店舗側は「悪質なごみの持ち込みは簡単にはなくならない」と訴える。

 県警生活環境課によると、今年7月末の摘発は昨年同時期(9件12人)の2倍以上に当たる21件25人。このうち、産廃の不法投棄で摘発した1件4人を除き、大半が家庭から出される一般廃棄物の不法投棄。紙くずや布団、衣類などの家庭ごみが、山中のほか、道路端やコンビニエンスストアなどに投棄されていたという。

 過去10年間で2006年の27件が最も多く、その後は9~20件で推移していたため、今年の摘発数の多さが際立っている。今年7月にはペットボトルや空き缶など自宅にためこんだごみ約16キロを串間市内のパチンコ店駐車場に捨てたとして、県警は鹿児島県志布志市の男を逮捕。警察の調べに「(パチンコ店が)代わりに処分してくれると思った」と供述しており、モラル低下が背景にあるとみている。
 


 家庭ごみの不法投棄は以前から問題化しており、敷地内に投棄された店舗側が負担を強いられるケースが相次いでいた。以前は自治体や県警が投棄者に対して注意と指導を行っていたが、県警は「罪の意識が乏しく繰り返す傾向がある。抑止効果を狙って摘発に乗り出した」と今年から方針を変更した。

 県警の動きに、店外のごみ箱が不法投棄場所の一つとなっていたコンビニ側は歓迎。その一方 で、県西部のコンビニ店主は「ごみ箱の口を小さくして不法投棄を防ごうとしていたが、それでも大量の生ごみやスーパーのトレーなどを無理やり押し込んで捨てている。処理費用の負担も大きい」と無くならない悪質な不法投棄に頭を抱える。

 そんな中、自衛策として大手コンビニの「セブン-イレブン・ジャパン」は昨年からごみ箱を店内に設置する試みを始め、現在は県内158店舗の3割で移行。宮崎市の宮崎地区事務所担当者は「迷惑ごみを減らすだけでなく、環境美化やごみ減量にもつなげたい」としている。

悪質な不法投棄者には、最大5年以下の懲役または1千万円以下の罰金という同法違反の罰則が科される。

出典: 2013/08/17 宮崎日日新聞 朝刊

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