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【廃棄物・水質】四国中央・汚泥投棄 養豚業者に無罪判決 地裁 廃棄物と認定できず(愛媛)
四国中央市の養豚場から出たふん尿などの汚泥を山林に不法に捨てたとして、廃棄物処理法 違反罪に問われた同市の養豚場経営会社と、いずれも同社代表取締役の男性と長男 の判決公判が30日、松山地裁西条支部であった。仁藤佳海裁判官は、廃棄物とは必ずしも認定できないなどとして同社と2人に無罪を言い渡した。
仁藤裁判官は判決で「豚のふん尿などは一定の処理を施せば堆肥として用いることができる」と説明。「被告人らが山林に埋めた物について、堆肥化の処理を施していなかったとはいえず、公訴事実を認定するに足る証拠はない」と判示した。
判決を受け被告の弁護士は「検察の強引な捜査に不満が残るが、全国の養豚業者がふん尿処 理の問題を抱えている中、再利用に理解を示した判決に感謝している」と話した。
検察側は「処理費用を惜しみ、悪臭被害による近隣住民の苦痛も甚大」として男性に懲役2年、 罰金100万円を、長男に懲役1年、罰金50万円、同社に罰金500万円をそれぞれ求刑。弁護側は「汚泥ではなく価値ある堆肥で、科学的にも正しく作られている」と無罪を主張していた。
四国中央署は2011年6月、同社所有の市内の山林へ同3月に汚泥計約31トンを捨てたとして 同法違反容疑で男性ら3人を逮捕。地検西条支部は、男性と長男を同罪で地裁西条支部に起訴 していた。男性らは「クリ園造成のため計画的に施肥していた」と逮捕時から否認していた。
地検の川越弘毅次席検事は「判決内容を精査、検討した上で適切に対応したい」とコメントを出 した。勾留や起訴などの手続きについては「問題になるものはない」とし、四国中央署と県警生活 環境課は「コメントできない」としている。
ふん尿処理をめぐっては、養豚場の尿処理機械が故障して原尿が銅山川につながる河川に流 出し、下流の徳島県が水質汚濁防止法に基づき愛媛県に指導を求めるなどしていた。
出典:2013/5/31 愛媛新聞