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【土壌】六価クロム 県「問題なし」 浦安・ダイエー用地の土壌汚染 「健康被害の恐れない」(千葉)

 浦安市北栄3丁目のダイエー店舗になる市有地から、環境基準を超える六価クロムなど有害物質が検出された問題で、県は19日、現状でも「健康被害の恐れがない」と判断し、新たな安全対策は必要ないと認めた。これを受け、出店を延期してきたダイエーは開店準備を加速する方針。問題を指摘してきた市民団体は反発している。

 県は先月から、土壌汚染対策法に基づき、有害物質による周辺地下水への影響や、大気中への飛散の可能性などを調べてきた。その結果、(1)半径五百メートル以内に飲用の井戸がなく地下水への影響は低い(2)アスファルトで汚染土を覆っており直接体内に摂取する可能性も低い-と判断。用地の形状を変えなければ、新たな対策の必要ない「形質変更時要届出区域」に指定した。

 この土地では昨年夏の調査で、基準値を超える有害物質を検出。一部の汚染土は搬出するなど処理したが、六価クロムは中和など無害化処理をしないまま土中に埋め戻した。
 県の命令で市が七月に実施した再調査でも、環境基準を上回る値の有害物質が検出されていた。市は昨夏の段階で汚染を知りながら、三月に市民団体の指摘を受けるまで公表しなかった。

 今年三月の開店を目指していたダイエーは「県の審査結果が出るまで開店しない」(IR広報部)と延期してきた。建物の外観はほぼ完成し、今後は器具や商品の搬入・陳列、従業員教育を進め、早期オープンを目指す。

 市議会でこの問題を追及してきた広瀬明子市議は「法律上の手続きさえ踏めば、市民の健康はどうでもいいのか。市民に汚染を知らせず、対応が後手に回った市の責任は重い」と批判。化学物質問題市民研究会代表の藤原寿和さんは「地下水の調査が半径五百メートルでは狭すぎる。無害化せずそのまま埋まっており、将来的に地下水が汚染される懸念は残っている」と指摘している。

出典:2014/09/20付 東京新聞朝刊 地方版(千葉中央版)
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