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【廃棄物・リサイクル】廃家電不正輸出で捜索 都内の会社 リサイクル骨抜き 輸出未遂容疑(東京)
廃家電などの廃棄物を金属スクラップに混ぜてタイに不正輸出しようとしたとして、警視庁が環境省などの通報を受け、東京都内の貿易会社を廃棄物処理法違反(無確認輸出未遂)容疑で捜索していたことが捜査関係者への取材でわかった。リサイクルが義務づけられた「家電4品目」のエアコンなどが多数含まれていた。環境省は、家電リサイクルの仕組みを骨抜きにする悪質な行為だとして、近く同社を同法違反容疑で警視庁に正式に告発する方針。
廃家電の不正輸出は2000年代後半から横行し、廃家電の1割近くに及ぶとされるが、捜査当局の強制捜査が行われるのは異例。
捜索を受けたのは、東京都中央区のA社。同社は4月、環境相の確認を受けずに、廃棄物をタイに輸出しようとした疑い。「金属スクラップ」と申告し、コンテナで東京港から輸出しようとしたが、東京税関の検査で廃家電などが含まれていることが分かり、差し押さえられた。
同庁は6月中旬、東京税関と合同で同社を捜索。さらにコンテナ20個を約1か月間かけて調べた結果、スクラップの中に、木くずやプラスチックなどのほか、洗濯機や100台以上のエアコンなどの破砕された廃家電が含まれていた。
家電リサイクル法の対象はエアコン、洗濯機、テレビ、冷蔵庫の4品目。環境省などの推計では、2012年度に排出された1702万台の4品目のうち、8%にあたる130万台が不正輸出された疑いがある。
エアコンなどには、海外で高い値段で売れる銅やアルミニウムなどの金属が含まれる。今回のように、輸出業者がスクラップの中に混ぜて輸出すれば、より多額の利益を得ることができるうえ、輸出時にも発覚しにくい。警視庁や環境省は、「スクラップは価値があり、廃棄物ではない」という言い逃れが通用してきたため、同様の不正が横行しているとみている。輸出先の中国などでは金属類を取り除いたあと、環境対策が不十分な施設で焼却されたり、野焼きされたりしており、環境への悪影響も懸念される。
出典:2014/08/23 東京読売新聞 朝刊
■参考情報
◎環境省:廃棄物の無確認輸出は、廃棄物処理法違反です!(お知らせ)(平成25年6月14日UP)
http://www.env.go.jp/recycle/yugai/law/uhe_h250611.pdf
※ 廃棄物を輸出するときは、環境省の確認が必要です
◎家電リサイクル法とは?
一般家庭や事務所から排出された家電製品(エアコン、テレビ(ブラウン管、液晶・プラズマ)、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機)から、有用な部分や材料をリサイクルし、廃棄物を減量するとともに、資源の有効利用を推進するための法律(経済産業省Webサイトより)
http://www.meti.go.jp/policy/it_policy/kaden_recycle/index.html