お知らせ
【廃棄物】ダイオキシン廃棄物:滋賀・高島市、焼却施設の点検5年怠る 基準値超で清掃、数値操作 隠蔽し三重・伊賀市へ搬入画策(滋賀)
滋賀県高島市が基準値を超えるダイオキシンを含む廃棄物を神戸市沖の埋め立て処分場に搬入していた問題で、県は24日、排出元の高島市環境センターが2007~11年度に年1度の焼却施設の定期点検を一度も実施していなかったと発表した。基準値を超え始めた時期(07年度)と符合する。問題発覚から25日で2週間たつが、不正を隠して三重県伊賀市に廃棄物の受け入れを要請していたことが判明するなど、高島市のずさんな施設管理や隠蔽(いんぺい)体質が次々浮上している。
環境センターへの立ち入り検査を24日に終えた県と市によると、定期点検は廃棄物処理法に基づいて県に提出した維持管理計画書に明記されていたが、5年度連続で怠っていた。この期間に設備の故障や不具合による緊急停止が計58回と急増しており、県は「点検しなかったこともダイオキシンの数値が上がった要因の一つ」とみている。
大阪湾広域臨海環境整備センター(大阪湾フェニックスセンター)や県、市への取材によると、高島市は07年度以降、フェニックスセンターが運営する「神戸沖埋立処分場」にダイオキシンを含む廃棄物を搬入。基準値を超えた場合、焼却炉を清掃した上で再検査し、基準内で収まった数値だけを年度ごとの契約時、同センターに提示していた。
こうした経緯やデータは環境センターがほぼ毎年、市環境政策課に報告しており、市当局と組織ぐるみで隠蔽していたかたち。環境センターの清水裕之所長は12年9月に基準値の17倍のダイオキシンが検出された際、部下から「(焼却炉を)掃除すれば下がる」と聞いた上で許可していたといい、不正が「慣例」(清水所長)として申し送りされていたとみられる。
また、4月からフェニックスセンターに廃棄物を搬入できなくなったことを受け、高島市は5月中旬、伊賀市に受け入れを要請。その際に自らの不正を隠し、搬入できなくなった理由を「基準値が超えたことの報告遅れ」と伝えていた。伊賀市がいったん受け入れを決めた後で表ざたになり、同市は「信頼関係がなくなった」として受け入れを取り消した。
一方、京都府内3市3町でつくる城南衛生管理組合が高島市同様、不正に廃棄物を処分場へ搬入していたことが23日新たに分かったこともあり、フェニックスセンターは困惑を深めている。廃棄物処理法には基準超えを隠して埋め立てを委託した自治体への罰則はなく、担当者は「法令順守が求められる自治体が今回のような違反をすると法律は想定していなかった」と指摘する。
出典:2014/06/25付 毎日新聞 大阪朝刊
環境センターへの立ち入り検査を24日に終えた県と市によると、定期点検は廃棄物処理法に基づいて県に提出した維持管理計画書に明記されていたが、5年度連続で怠っていた。この期間に設備の故障や不具合による緊急停止が計58回と急増しており、県は「点検しなかったこともダイオキシンの数値が上がった要因の一つ」とみている。
大阪湾広域臨海環境整備センター(大阪湾フェニックスセンター)や県、市への取材によると、高島市は07年度以降、フェニックスセンターが運営する「神戸沖埋立処分場」にダイオキシンを含む廃棄物を搬入。基準値を超えた場合、焼却炉を清掃した上で再検査し、基準内で収まった数値だけを年度ごとの契約時、同センターに提示していた。
こうした経緯やデータは環境センターがほぼ毎年、市環境政策課に報告しており、市当局と組織ぐるみで隠蔽していたかたち。環境センターの清水裕之所長は12年9月に基準値の17倍のダイオキシンが検出された際、部下から「(焼却炉を)掃除すれば下がる」と聞いた上で許可していたといい、不正が「慣例」(清水所長)として申し送りされていたとみられる。
また、4月からフェニックスセンターに廃棄物を搬入できなくなったことを受け、高島市は5月中旬、伊賀市に受け入れを要請。その際に自らの不正を隠し、搬入できなくなった理由を「基準値が超えたことの報告遅れ」と伝えていた。伊賀市がいったん受け入れを決めた後で表ざたになり、同市は「信頼関係がなくなった」として受け入れを取り消した。
一方、京都府内3市3町でつくる城南衛生管理組合が高島市同様、不正に廃棄物を処分場へ搬入していたことが23日新たに分かったこともあり、フェニックスセンターは困惑を深めている。廃棄物処理法には基準超えを隠して埋め立てを委託した自治体への罰則はなく、担当者は「法令順守が求められる自治体が今回のような違反をすると法律は想定していなかった」と指摘する。
出典:2014/06/25付 毎日新聞 大阪朝刊