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【建築基準法】建築基準法違反疑い 3.7万棟調査へ /賃貸物件建設・管理業

 賃貸物件建設・管理業A社は29日、計206棟のアパートで施工不良を確認したと発表した。「界壁」と呼ばれる防火性などを高める部材が天井裏に未設置だったり、十分な範囲に設けられていなかったりした。建築基準法違反の疑いがある。来年6月までに全3万7853棟を調査し、不備のある物件を改修する。

  取締役専務執行役員が同日、都内で記者会見し「当社に施工管理責任があった」と謝罪した。施工不良が見つかったのは1996~2009年に施工したアパート6シリーズ。すでに調査を終えた290棟のうち、38棟で界壁がないなどの不備があった。

 建築基準法は火災時の延焼防止などの観点から界壁を天井裏に設置するよう定めている。

 施工業者に渡したマニュアルには界壁の記載があったのに、個別の下請け業者が参照する図面には記載がないなど整合性に不備があった。施工時の検査でも図面との照合確認が不十分だったという。

 これとは別に94~95年に竣工した2シリーズでも、調査した184棟のうち168棟で界壁がなかった。同社は4月末に施工の不備がみつかったと発表していた。

 一連の調査での不備は200棟を超え、今後も増える見通し。19年6月までに全棟を調査し、同年10月までに改修工事を終える方針。工事費は10室程度の物件の場合、1棟あたり60万円程度としている。

 A社は意図的な手抜き工事の可能性を否定する一方、天井に不燃材が使われており「安全性はある」と強調している。

 

出典:2018年5月29日 日本経済新聞

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