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【水質】基準超え汚水排出 「水濁法」違反容疑で摘発 / 高知市浦戸湾

 環境基準を超える汚水を浦戸湾に排出したとして、高知海上保安部は28日までに、水質汚濁防止法違反容疑で、高知市内の水産物加工業・A社と、同社社長、製造責任者の両容疑者を摘発した。近く書類送検する。
 摘発容疑は、今年6月から11月までの間、同社工場から基準値を上回る汚水を浦戸湾内に排出した疑い。
 同保安部によると、同社は魚の干物や煮付けなどを製造。工場が現在の場所に移転した2002年以降、魚を洗う際に出る血や油を排出していたとみられる。工場の操業日の汚水は日量5トン以上に上ったという。
 同保安部が汚水を分析したところ、水の汚れ具合を示す「化学的酸素要求量」は県基準の4倍以上に当たる1リットル中約420ミリグラムで、水中の油分の含有量を示す「ノルマルヘキサン抽出物質含有量」は県基準の2倍以上の1リットル中約55ミリグラムだったという。同保安部は「ただちに健康被害が出る量ではない」としている。
 取材に対し、同社は「環境基準に対する認識が不足していた。摘発を真摯(しんし)に受け止め、改善策を協議している」とコメントした。工場近くに勤める男性は「数年前から工場の排水路から魚の傷んだような臭いがしていた」と話した。

 

出典:2016/11/29  高知新聞 朝刊

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