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【水質】堺の公園 基準460倍 六価クロム 住民「子供吐いた」(大阪)

 ■隣接工場解体で漏洩か

堺市は8日、同市堺区七道東町の並松公園の土壌から、最大で国の環境基準の460倍の六価 クロム化合物が検出されたと発表した。隣接する旧メッキ工場の解体作業の際に化学薬品が漏れ た可能性がある。近隣の住民から「目がしばしばする」などと通報があったが、具体的な健康被害 は確認されていないという。市は土壌がどの程度汚染されたか調査したうえで、年内をめどに撤去 する。                   

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市は通報を受けて公園4カ所で土壌を調査。その結果、六価クロム化合物は2カ所で基準を超 え、うち1カ所で基準の460倍となった。また基準を超えるシアン化合物も1カ所で検出された。い ずれもメッキ加工などに使われる化学薬品で、六価クロム化合物は触れると発疹や炎症が起き、シ アン化合物は頭痛、めまいなどを起こすとの報告があるという。

 市によると、解体工事は今年5月ごろに始まり、解体業者が同10日から6月9日まで市の許可を 受けて公園の一部を資材置き場として使用。5月18日に住民から「(工場付近の)道路側溝に紫色 の水が流れていた。目がしばしばしたり、子供が吐いたりし、ツンと来るにおいもあった」との通報が あった。7月5日に公園の一部を立ち入り禁止にし、今月8日に周囲すべてをフェンスで囲い、全面 的に立ち入り禁止にした。

 解体業者は市の聞き取りに「工場敷地内に薬品をこぼしたことはあるが、公園内にはこぼしてい ない」と説明。市は、化合物が工場から出たものか調べたうえで、廃棄物処理法違反事件として大 阪府警に被害届を出すことも検討している。              

 

【用語解説】六価クロム

酸化剤として金属の洗浄やメッキ加工など産業分野で広く使われる物質。毒性があり、皮膚に付 着すると炎症や潰瘍の原因となり、体内に蓄積した場合、肝臓障害や肺がんなどを引き起こすとさ れる。六価クロム化合物は水質汚濁防止法の有害物質に指定されており、工場廃液による水質汚 染が社会問題となった。

出典:2016/09/09 産経新聞 大阪朝刊

 

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