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【大気】胆管がん:全国の印刷会社で発覚 排気装置なし、対策不備7割-印刷産業連合会調査(全国)

 胆管がんの発症者が全国の印刷会社で相次いで発覚した問題で、国内最大の業界団体、日本印 刷産業連合会(東京都中央区、約9300社)は、有機溶剤など化学物質の取り扱い状況につい ての調査結果を発表した(7/13)。

 印刷機のそばで排気し、法令で必要な局所排気装置などを設置していな い事業所が7割に達するなど対策の不備が目立った。従業員数が少ない社ほど実施率が低い傾向も あり、同連合会は法令順守の徹底を図る。


出典: 2012/7/13 毎日新聞 大阪夕刊

調査は問題が発覚した今年5月から6月まで実施。厚生労働省大阪労働局が同様の調査をしてい る大阪府内の約1000社を除いて調査票を配布し、33%の2688社から回答を得た。

 有機溶剤中毒予防規則などの対象となっている化学物質を使っている社は74%。そのほか9項目 の質問のうち「作業環境測定の実施」が25%、「密閉設備、局所排気装置等の設置」が29%、「特殊 健康診断の実施と記録の保管」が35%と、低い実施率にとどまった。9項目いずれの安全・衛生対策 も「行っていない」と回答した社も10%に達した。

 従業員数別では、局所排気装置などの設置が1000人以上の社で79%だったのに対し、1~19人 の社では21%にとどまるなど大きな格差があった。

 調査結果を受け、同連合会は、有識者や加盟団体の代表ら26人で構成する「労働衛生協議会」で 対策を検討する。7~8月に全国7カ所で説明会を開き、印刷会社や従業員、家族、地域住民向けの 分かりやすいパンフレットを作製、啓発する。

 今回の問題は、一般の印刷と異なる校正印刷という業務で多発した。
 校正印刷は、印刷機についたインキを頻繁に洗浄するため、動物実験で発がん性が指摘される化 学物質が含まれる洗浄剤を多用。大阪市内の印刷会社では、作業場内の換気が不十分だったことな ど、劣悪な作業環境が関係しているとみられている。


出典: 2012/7/13 毎日新聞 大阪夕刊

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