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【水質】全事業所に排水規制を検討 全国ワースト2の水質「古川」 みなべ町(和歌山)

 環境省の調査で水質が全国ワースト2となった和歌山県みなべ町の古川について、県は法令で指定された施設(特定施設)を持つ流域の全事業所を対象に、水質汚濁防止法に基づいた排水規制を検討していることが分かった。県の調査では、汚染原因は生活系が約50%、梅加工などの産業系が約30%を占める。同町が改善に取り組んでいる生活系と合わせ、古川に排出されている汚染原因を将来的に半分以下に減らし、汚名を返上したい考えだ。

出典: 紀伊民報(2012年05月12日付)  11日、町内で開かれた紀州みなべ梅干協同組合の総会終了後の研修で、県環境管理課の宮井良彦副課長ら担当者が説明した。

 南部川の支流である古川は延長4・5キロ、流域面積10平方キロ。水質の指標となる「BOD(生物化学的酸素要求量)」は1リットル当たりの数値が高いほど水が汚れていることを示しており、魚がすめるのは3~5ミリグラム以下と言われている。古川は環境基準(3ミリグラム)に対し、2006年度は18・0ミリグラムで全国ワースト1、10年度の調査では9・2ミリグラムでワースト2だった。

 この日は同課の担当者が、県が古川流域の6地点で09年度から3年にわたって水質の現状調査を行ったことや、汚染の原因を調べるために排出源別に汚濁負荷量(汚れの原因となる物質の量)を調べたことを説明した。

 その結果、汚濁負荷量の現状は、総負荷量が1日当たり216キロに対し、生活系が111キロで51%、産業系が65キロで30%(うち梅が54キロで25%)を占めていることが分かった。梅産業の負荷量のうち約80%が排水未処理事業所によるものだという。

 このため県は、みなべ町が行う下水道事業などによる生活排水の改善対策に加え、事業所の排水規制を行うことを検討。水質汚濁防止法では1日当たり50トン以上を排出している施設が対象になるが、県は古川流域については特例として、法令で指定された特定施設を有するすべての事業所を対象に、同法と同じ基準を適用したい考え。具体的な取り組み時期については、同課の赤坂安司環境保全班長が「条例の改正を考えなくてはならないが、9月議会に上程できるように考えている」と述べた。仮に違反した場合、同法に基づいて改善命令や罰則が科されることになるという。

 この取り組みにより、未処理事業所が排水処理施設を設置したり、下水道に接続したりすることを促し、産業系の汚濁負荷量を約80%減らすことができると試算。生活系排水の改善と合わせて、6年後をめどに、BODを2・7ミリグラムまで改善させる考えだ。

 
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