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【大気】大気常時監視のあり方検討/目的別に体制再編/環境省が年度内(全国)

 環境省は年度内に、大気環境の常時監視とその精度管理の体制に関する今後のあり方を検討するための調査事業を実施する。越境汚染や国民への健康影響の把握など目的別の監視体制の再編や、測定データの国際比較も可能なトレーサビリティ体系の構築などを視野に入れている点が特徴。特に米国における目的別の常時監視体制についてヒアリング調査し、日本の参考にする方針。また、大気汚染防止法に基づく常時監視事務処理基準の対象自治体にアンケート調査などを実施し、現状の課題や問題点などを把握する。これら調査の実施に当たり、学識者らで構成される検討会を設置する予定。

 日本の大気環境常時監視を取り巻く環境は近年、微小粒子状物質(PM2・5)をはじめ大陸からの越境汚染が増大するなど、従来に比べ大きく変化している。そうした中、常時監視体制を今後、効果的に維持・発展させるためには、対象を明確にした目的別の監視体制の再編やトレーサビリティ体系の構築などの検討が必要となる。

 一方、米国では、測定対象を細分化した目的別の常時監視体制をすでに整備していることから、日本にとっての参考情報を得るため、環境保護庁(EPA)や州政府、地方の役割をはじめ、監視体制の規模や監視局の配置・立地条件、使用機器の種類・仕様・運用・維持管理の実態、さらに測定データの品質保証の状況などをヒアリング調査する方針。

出典: 2014/09/24付 環境新聞

■PM2.5とは?
 ピーエムニーテンゴ 【英】Particulate Matter 2.5 [略]PM2.5
:大気中に浮遊している直径が2.5μm以下の超微粒子(1μmは1mmの千分の一)。微小粒子状物質という呼び方をされることもある。大気汚染の原因物質の一つ。
 従来から環境基準を定めて対策を進めてきたSPM(浮遊粒子状物質)は「大気中に浮遊する粒子状物質であってその粒径が10μm以下のもの」を指すが、近年はより小さな浮遊性粒子状物質であるPM2.5の呼吸器や循環器系への影響が指摘されるようになった。粒径が小さい分、気管を通過しやすく、肺胞など気道より奥に付着するため、人体への影響が大きいと考えられている。2009年9月には「1年平均で15μg/m3以下、かつ1日平均で35μg/m3以下」という環境基準が定められ、さらに2013年春先の中国大陸における甚大な大気汚染の発生に伴う社会的関心の増大を受けて、注意喚起のためのPM2.5暫定指針も定められている。

 現在、大気汚染防止法に基づいて、地方自治体によって全国500か所以上でPM2.5の常時監視を行っており、環境省の大気汚染物質広域監視システム(そらまめ君)や地方自治体等のホームページで速報値が逐次公表されている。

 PM2.5の発生メカニズムは、物の燃焼などによって直接排出される場合と、硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)、揮発性有機化合物(VOC)などのガス状大気汚染物質が環境大気中での化学反応等によって粒子化する場合の2通りがある。主な発生源には、ボイラー、焼却炉などのばい煙を発生する施設、コークス炉、鉱物の堆積場等の粉じんを発生する施設、自動車、船舶、航空機などがある。これら人為起源のものだけでなく、土壌や海洋、火山等から発生する自然起源のものもある。

出典:EICネット(環境用語集)
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